夏休みに入り、暑い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
「思春期」といわれる年齢の時期の夏はむし歯が急増しやすいのをご存知ですか?
パパやママの言うことにちょっと背きたくなってくる年齢のお子さんのお口のケアに困っているパパさんやママさんはいませんか?
小学校高学年頃くらいから仕上げみがきをさせてくれないや自分で磨くのも、ちゃんと磨いているんだか、とても短い時間でササッと終わらせているようだとおっしゃる保護者の方が多いと思います。
みなさんのお子さまはいかがですか?
これらは思春期による当たり前の行動なんです!
子供の成長過程として「思春期」は必ず通る道です。
個人差はありますが、たいてい12、13歳ころから始まって18、19歳くらいまで続くことが多いようです。
親の言うことに従うことがめんどくさく感じたり鬱陶しいと感じやすくなります。
同じ頃お口の環境の変化が現れます。
成長の過程だから、いつか終わるから…とはいえ、この時期お口の状態でいえばさまざまな変化が生じる時期と重なっています。
思春期だからと放っておくと、この時期にさまざまなお口のトラブルを起こしてしまったり、それがきっかけで大人になってもお口のトラブルと付き合っていかなければならない事態となる恐れもあるのです。
思春期の口腔ケアを考えましょう
厚生労働省がおこなった
「歯疾患実態調査」によれば、15歳から19歳でむし歯を発症している割合は47.1%でした。
以前に比べ減少傾向にあるとはいえ、
5歳から9歳までが8.2%、
10歳から14歳までが19.7%、
15歳頃から急に割合が増えているのです🦷
思春期特有の身体の変化が起こる時期というのは周知されていますが、歯肉炎になりやすい時期であるということを知らない人も多いでしょう。歯肉炎を含む歯周病は高齢者の病気のイメージですが、15歳から19歳の約70%は歯肉炎だともいわれています。
近年の青年たちの生活環境や食生活が大きく変化していることが関係しているのかもしれません。だからこそこの時期の口腔ケアはとても大切だということを、多くの方に知っていただきたいと思います。
思春期前期のお口の変化に伴うむし歯の多発
このころは、乳歯から永久歯にすべて抜け変わり、親知らず以外の28本の永久歯が揃います。そして、乳歯が生え揃ったころに続いて虫歯が多発しやすい第2期ともいえます。 成長期で食べる量や回数が増えることや、塾や習い事のために食事が不規則になりがちなうえ、仕上げ磨きをせず本人任せな歯磨きになることなどが関係していると考えられます。
思春期前期はむし歯の進行が速い
歯の表面を守るべきエナメル質組織は、唾液の成分やフッ素などを摂り込み徐々に歯質を強化します。
この時期の永久歯は、生えたばかりでまだ歯質が粗造です。
一度むし歯が始まってしまうと進行が速い特徴があります。
そのような時期に思春期にありがちな環境の変化と相まって、むし歯が進行しやすくなってしまうのです。
思春期後半はホルモン分泌の変化も関係?!
思春期後半(16歳以降)になると、食生活の変化や乱れは引き続き注意が必要ですが、さらにホルモン分泌の不調和が関係してきます。
特に女性は性ホルモンの分泌が活発になり、歯茎からの浸出液などにも含まれるようになると考えられています。
このホルモンは口の中の歯周病の原因菌が栄養源として好むホルモンといわれており、歯周病菌が増加して歯周病発症率が高くなりやすいのです。
多感な時期と表現される思春期は、ヒトが成長するうえでとても重要な時期ですが、お口にとってはとても難しい時期だといえます。
しかし、この時期であっても、日常生活で気を付けることのポイントを押さえておけば症状を予防したり改善することができます。
次回は、思春期のお子さんのお口のケア、どう進めていくのかを一緒に考えていきましょう🦷
名古屋市南区
こぎそ歯科医院
歯科医師
小木曽太郎