エナメル質という白くて硬い層は、しみる刺激を神経まで伝えない役割をしています。
歯がしみるのは、エナメル質の内部にある象牙質がむき出しになったときです。象牙質には無数の穴が開いているため、しみる刺激が神経に伝わります。
1️⃣むし歯でしみる
むし歯で歯がしみるのは、歯の表面が酸で溶けてしまい、象牙質が露出してしまったためです。
つめたいものや甘いものを食べたり飲んだりするたびにしみて、痛みが10秒以上長く続くような場合はむし歯でしみている可能性があります。しみる症状の他に、歯に黒くすける部分があったり、歯に穴があいていたりすればむし歯が疑われます。
初期むし歯の状態なら、そこを削り詰め物をして終わり、通院は1回で済みます。ただし悪化するほど治療は大変になり、治療時間や通院回数、治療費が増えます。むし歯が大きくなるほど、強い痛みを感じてしまうので、悪化する前に歯科医院を受診しましょう🦷
2️⃣歯周病でしみる
歯周病により歯がしみる原因は、歯を支える骨が溶けてしまって歯の根っこが露出したためです。歯の根っこは象牙質でできているので、冷たいものがしみます。歯周病が原因の痛みは、瞬間的に感じる程度で、冷たい物がしみるのも毎回ではありません。歯周病が原因で起こる症状は、歯がグラグラしたり、歯茎が腫れる、ハブラシのときに出血するなどです。これらの症状が当てはまるかたは歯周病が疑われます。
しみるのを治すには、歯の根っこの表面をコーティングして刺激を伝わりにくくする方法があります。
その他にもブラッシング指導による磨き方の改善を行います。歯の根っこが大きく露出している場合は、神経の処置をして被せ物の作製を行う場合もあります。
※レントゲン撮影による診断が必要な場合もあります🦷
歯周病は、自覚症状がないまま進行する病なので、小さなことでも早めに歯科医院へ相談することが大切です。
3️⃣知覚過敏でしみる
知覚過敏の場合は、何度つめたいものでしみますが、痛みは長続きしません。例えばアイスやかき氷を食べたときに“しみる”と感じます。しみる以外の症状はほとんどなく、歯の根元が削れていたり、歯根が露出しているようであれば知覚過敏が疑われます。知覚過敏になるのは、歯磨きの力が強くて歯面が傷付いたり、歯茎がさがった場合です。歯ぎしりや食いしばりのクセがある方は知覚過敏になりやすいので注意が必要です⚠️
軽度の知覚過敏であれば歯面へのコーティング(知覚過敏抑制剤)を塗布する処置を行ないます。
その他磨き方の指導、削れている歯の根っこ部分にレジン充填を行います。中等度以上の知覚過敏の場合、神経の処置が必要な場合があります。
歯ぎしりや食いしばりのクセがある方は、保険適用でマウスピースの作製が可能です、どうぞお気軽にご相談ください。
ストレスによる歯ぎしり・食いしばりで知覚過敏が起こることもあります。
歯ぎしりや食いしばりはストレスが関係していると言われています。
歯ぎしりや食いしばりにより、歯の摩耗や破折が起きてしまうと、象牙質が露出してしまいます。これが知覚過敏の原因になり、痛みが出やすくなるのです。また、知覚過敏の原因にも、免疫力の低下(ストレス)などが関係している場合もあります。
しみるなーと感じたら痛みの程度や頻度に関わらず歯科医院を受診しましょう🦷