くすりの知識💊
顎骨壊死のリスクとなるくすり
抜歯などの歯科治療を受けた際に、ごくまれに顎の骨が死んでしまう顎骨壊死を起こすリスクとなるくすりがあるため注意が必要です。
普段飲まれているお薬がある場合には、必ずおくすり手帳をお持ちいただきますようよろしくお願いいたします。
注意の必要なおくすり💊
1️⃣骨粗鬆症治療薬
骨粗鬆症のくすりには大きくわけて、2つあります。
※新たな骨を作る作用を促すくすり
※古くなった骨を壊す作用を抑えるくすり
骨を壊す作用を抑えるくすりを使用している患者さんでは、顎骨壊死のリスクが高くなる可能性があると考えられています。
骨粗鬆症の治療を受けている患者さまはくすりの種類を確認はしましょう。
骨粗鬆症は注射薬による治療を受けている患者さまも多く、おくすり手帳だけではわからないことがあります、注射薬は月一、半年に一回など治療間隔が開くこともあるため、必ず歯科医師に伝えるようにしましょう💉
骨粗鬆症治療薬
ビスフォスフォーネート製剤
◻︎イバンドロネート(ボンビバ)
◻︎アレンドロネート(フォサマック)
◻︎リセドロネート(ベネット/アクトネル)など
ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤
◻︎ デノスマブ(プラリア)
抗スクレロスチン抗体薬
◻︎ロモソズマブ(イベニティ)
2️⃣がんの骨転移治療
多発性骨髄腫や乳がん、前立腺がんなどの治療に使われる注射薬のデノスマブ(ランマーク)は、骨転移のある患者さまの骨折や痛みを予防・軽減する効果がありますが、歯科診療では顎骨壊死のリスクがあります。
3️⃣ステロイド薬
ステロイド薬は、炎症を鎮めたり免疫力を抑制する作用があるホルモン製剤で、広く関節リウマチや膠原病などの治療に使われています。ステロイド薬による治療を受けている患者さまは骨粗鬆症リスクが高く、その予防としてビスフォスフォーネート製剤などが使われることがあるため、顎骨壊死に注意が必要です。
4️⃣関節リウマチ治療薬
稀ではありますが、関節リウマチ治療に使われるメトトレキサート(リウマトレックス)などのくすりで顎骨壊死が起こることがあります。
患者さんが普段から治療に使っている内服薬や注射薬の副作用が歯科診療に影響する場合、くすりを変更してもらうことがあります。
また、歯科で治療をしているにもかかわらず歯周病がなかなか治らないのは、くすりの副作用によることもありますので、おくすり手帳をお持ちください。
おくすり手帳に記載されていない注射薬の治療を行っている場合も問診の際にお伝えください。
名古屋市南区
こぎそ歯科医院
歯科医師
小木曽太郎