「そもそも顎関節症ってなに?」
という人のために、主な症状を簡単にお伝えします。
顎関節症とは、顎の関節と関連する筋肉(咀嚼筋)の病気です。
顎、こめかみあたりの痛み、噛むとカクッ、ジャリジャリ音がする、口が開けづらい、開かない、顎運動異常といった症状が一つでもあれば顎関節痛と診断されます。
難しく感じるかもしれませんが、要するに「顎に痛みがある」「口が開かない」「雑音が鳴る」という3つの異常のうち、いずれかの症状が見られれば顎関節症の疑いが大いにあるということです。
顎関節症は放置することで、顎の痛みが強くなるだけでなく「頭」「首」「肩」「腰」「手足」など全身に痛みが出る病気です。
できるだけ早めに歯科口腔外科のある歯科医院に相談することが大切です。
顎関節症による顎の痛み5つの症状
1️⃣口を開け閉めする時に痛みがある
下顎の骨をスムーズに動かすための間接円板(クッションのような役割)という組織が損傷したり、顎の筋肉の血流が悪くなったり、顎の筋肉が硬直することにより痛みが生じます。
痛みを避けようとして口を動かさずにいると、ますます血液不順や筋肉の硬直が進行します。
その後痛みだけでなく、口を2.5㎝以上開くことができないような「開口障害」を発症する危険性があります。
2️⃣上下の歯を噛み合わせると痛みがある
上下の歯を噛み合わせたときに痛みを感じるのは、顎周辺の筋肉に異常があることが考えられます。顎の周辺には側頭筋や外側・内側翼突筋といった約24種類の筋肉が存在し、本来、歯は食事の時や力を入れる瞬間に噛み合わせ、安静にしている時には、上下の歯は当たっていない状態です。
常に上下の歯をかみあわせていたり、寝ている間に歯ぎしりをするなどの癖があると、それらの筋肉が常に働く状態になり、休みなく使い続けることで痛みが出るようになります。
顎の痛みは、歯や歯茎にも痛みを感じることがあるため、むし歯や歯周病と勘違いすることがあります。
歯科医院に受診しても顎関節症と診断されず、むし歯や歯周病の治療をしたのに痛みが改善しない場合には、顎関節症の影響を含めて診断することが重要です。
3️⃣片方の顎だけが痛い
右顎、もしくは左顎だけに痛みがある場合、噛む時のクセ(偏咀嚼)が知らないうちについてしまっている可能性があります。
片側だけでの咀嚼を繰り返すことによって、片側の顎だけの側頭筋や咬筋、翼突筋といった咀嚼筋全体に強い力がかかります。
むし歯があるときに痛い患部で噛むのを避けたり、入れ歯や銀歯などの詰め物が合っておらず片側で噛んでいるというようなときにも習慣化して、片側の顎が痛むということもあります。
偏咀嚼は関節症の発症でよくある原因の一つです。
このクセを長く続けることで顎位がズレて顔面や頭蓋骨の歪みにもつながります。
これらは全身に不定愁訴が起きることも多いため早期の改善が必要です。
4️⃣顎だけでなく首や頭痛もある
顎の痛みは、同時に「首・肩の痛み」や「頭痛」を伴うことがあります。
痛みが続いているということは、顎周辺の筋肉や靱帯、血流の異常があるということです。
顎の筋肉の大部分である咀嚼筋は、首の前面にある胸鎖乳突や首と肩の筋肉とつながっています。つまり、顎の筋肉の異常は首・肩・腰といった部分にも痛みやこりにつながります。
痛みが続くと当然ながらストレスがかかり、このストレスは自律神経の乱れにも繋がり、症状を悪化させる要因の一つです。
5️⃣顎の痛みとともに雑音がする
顎を動かした際に痛みとともに雑音が聞こえる場合には顎関節症である可能性が高いです。
顎関節症による雑音は「関節雑音」や「クリック音」と呼ばれています。
症状が軽度の場合には、一度だけカクッという音が鳴ります。症状が進行するほどに「ジャリジャリ」「ミシミシ」というような雑音が連続して鳴ります。
日が経つにつれてだんだん音がひどくなると感じるという人は、顎の痛みも悪化する恐れがあるので注意が必要です。
5つの症状がある場合には、顎関節症の可能性があります。該当する項目がある方は病状が悪化する前に早めに歯科口腔外科のある歯科医院に相談しましょう。
顎関節症による顎の痛みを放置するリスク
顎関節症により顎が痛み始めたのに、それを放置することで症状が進行して、以下の症状が現れる場合があります。
・頭痛、耳の痛みなど全身の痛みにつながる
・痛みによるストレスでイライラ、気分が落ち込む
・痛みを回避しようと片側の顎だけ使うようになり下顎の位置がずれる
・咀嚼回数の低下による内臓への負担、肥満、口臭
・偏咀嚼により片方の筋肉が衰え、もう片方が異常発達。左右バランスの悪化
・顔や全身の歪み
顎関節症による顎の痛みを治療せずに放置することは、全身の異常につながるのです。
顎周辺に痛みがあるときは顎関節や筋肉などが炎症・損傷している可能性があるため、その部分を強く揉むと症状が悪化することがありえます。
セルフケアを行う場合には、歯科医師から直接指導を受けた方法を実践するようにしましょう。
顎の痛み、顎に違和感を少しでも感じたら早めに歯科口腔外科のある歯科医院を受診しましょう🦷
当院の院長たろう先生は、
愛知学院大学歯学部附属病院の歯科口腔外科で顎関節症の多数症例の実績があります。
お気軽にご相談ください😊
名古屋市南区
こぎそ歯科医院
歯科医師
小木曽太郎